この記事では、これからデータサイエンティストを目指す方に向けて5つの採用ポイントを解説していきます。
最近、ビッグデータビジネスの注目度が高まり、それに伴って「データサイエンティスト」のニーズも増えています。
将来データサイエンティストになりたいとお考えの方も多いのでは?
データサイエンティストになるために、求められる人材、必要なスキル、採用されるポイントを押さえておきましょう。
データサイエンティストの採用率・転職難易度は?
データサイエンティストの主な仕事は、企業が保有する膨大な数のデータ、情報の収集・分析を行い、企業の課題解決や経営戦略など重大な決定事項をサポートします。
近年はビッグデータビジネスの需要が高まっておりデータサイエンティストの求人は急増中です。近年では、IT業界の新しいキャリアパスとして位置づけられ、転職難易度は非常に高いといえます。データサイエンティストの求人数が増えている理由は、エンジニアとしての開発のほか、企画・マーケティングでも活躍を期待されているためです。
大学で機械学習や関連知識を身に付けており、データマイニングなどの実務経験があることは必須条件となります。データサイエンティストに求められる人物像は、プログラミングの知識やウェブマーケティングはもちろん、市場動向やトレンドにも敏感であること。データ分析に必要な統計学や数学の知識、そして消費者心理や行動経済学、マーケティング手法といった幅広い知識が必要求められます。
経験豊富なエンジニアとして高い技術レベルがあっても、必ず採用されるとは限らないのが現状です。たとえデータベース系言語の経験がなくても、データ分析スキルに長けており、ITコンサルティングの経験があれば採用されるケースもあります。
データサイエンティストの面接で聞かれること
データサイエンティストの求人は、大手企業やIT業界、金融業界とった膨大なデータを取り扱う企業に多く見られます。採用されるまでのプロセスは、通常の採用試験と同様に面接が行われ、データサイエンティストとしての素養や人柄があるかどうか判断されます。
企業戦略を決定する経営側になることもあるため、面接ではビジネスに関する関心・興味があるかも重要なポイント。
好奇心旺盛で行動力があり、リーダーシップを発揮できるかといった素質も面接の場で評価基準になるようです。データサイエンティストは大企業であっても在籍者数は50人程度ですから、非常に狭い枠になります。
近年はデータサイエンティストの職種が注目されていますが、まだ国内で活躍している事例は少ないです。面接では、プログラミング言語やシステムに精通していることをアピールするだけでは十分ではありません。
データサイエンティストが行うデータ分析は、最終的に課題を解決したり、企業の売上に貢献し、世の中に新しい価値を生み出すことです。希望する勤務先では、自分はどう活躍をしたいのか、経営戦略としての志望動機を明確にすることが大切です。採用の決め手になるのは、コミュニケーションスキルとプレゼンテーションスキルといえるでしょう。
履歴書・職務経歴書は?
データサイエンティストを募集する企業によって、求められるキャリアや人物像は異なります。履歴書・職務経歴書の書類選考は、何をアピールして記載をすべきか考えた上で作成しましょう。
書類選考を通過するためには、自分が携わった業務の範囲を分かりやすく明確に記載することがポイント。どんな業種の販売戦略において、どれだけの達成率・リピート率に繋がったのか具体的な数字を記載します。
例えば、データ抽出、集計、データによる分析、予測モデルの策定など、担当した業務の役割を具体的に示すことが重要です。
職務経歴書には、プロジェクトの達成率や実績の詳細を具体的な数字でアピールすると効果的です。企業が求めているプログラミングスキルやITの知識は採用担当者が必ずチェックするので、合わせて記載してください。経験のあるソフトやデータベースも記載すると職務能力をイメージしやすく、採用担当にアピールすることができます。データサイエンティストとして、経営学やマーケティングなど、課題を解決することができる幅広い知見があることもしっかりアピールしてください。
例えば、クライアントにヒアリングして分析した結果を論理的に説明できる能力、プレゼンをするコミュニケーションスキルも重要なポイントです。
データサイエンティストの選考のポイント
ここからは、データサイエンティストになるために知っておきたい選考のポイントを見ていきましょう。
1. 全くの未経験からは難しい
近年、ITの花形職業として人気急上昇中のデータサイエンティストですが、全くの未経験からのチャレンジは難しいのが現状です。未経験からデータサイエンティストになる場合は、ウェブ広告会社で専門知識を身に付けて、ウェブディレクターを目指すことです。
ウェブ広告は非常に需要が高く、最近ではフリーランスのウェブディレクターも増えています。ウェブサービス全体の成長を実現できるディレクターになれば、データサイエンティストの第一歩を踏み出せるでしょう。
データサイエンティストの実務経験がなくても、RやPython、統計学のスキルが認められて採用される可能性はあります。
2. 幅広いスキルが求められる
データサイエンティストには、ITスキル・統計解析スキルだけでなく、市場トレンドや競合他社の状況を把握できるビジネススキルが必須条件です。
大規模なデータ処理には専門の技術が必要な上、適切な要素を抽出する技術も求められます。データを分析して予測を行う上で統計解析スキルは必須条件です。
例えば、統計学やデータマイニング、パターン認識、クラス分類やクラスター解析、予測などの手法を扱えることがもとめられます。
基本的なデータベース言語であるSQL、ビッグデータを処理するオープンソースソフトウェアのHadoop、HBase、pigなどの知識は必ず習得しておきましょう。
データを分析して、その結果を事業に活かすことが目的ですから、業界の特性、市場トレンドや競合他社の状況といった論理的思考能力が重要視されます。
分かりやすく説明するための文書作成能力やプレゼンテーション能力も必須条件です。ビジネスに対する深い理解、論理的思考能力、プレゼンテーション能力はアピールポイントとなります。
3. 人工知能(AI)にはない提案力
データサイエンティストは人工知能(AI)の到来により将来性が危ういと言われることがあります。
確かに、近年の人工知能の開発は目まぐるしいスピードで発達しているのは事実です。機械が人間を超える瞬間「シンギュラリティ」は2045年に起こると予想され、機械が機械を開発する時代に突入すると話題にもなっています。
将来、データサイエンティストの仕事は人工知能に奪われて消えてしまうという噂も良く聞かれるようになりました。
結論から言えば、データサイエンティストという職業が完全に人工知能に代行されることはありません。
優れた人工知能が膨大なデータ収集・分析をミスをせずに正確に行い、レポートの作成まで任せることは可能です。多くの企業は人工知能の導入により、人手不足のカバーや人件費の削減・時間短縮にも活用しています。しかし、人工知能ができることは、過去のデータを蓄積して、そのデータの中から即座に最適解を導き出すことに限られます。市場を分析して、消費者のニーズを理解する内面的な分析・戦略を提供する能力はまだAIにはありません。
膨大な過去のデータから新たな意味を与えることはやはり人間の方が断然優れているからです。
また、人工知能は不測の事態に臨機応変に対応できる柔軟性も持ち合わせていません。
遠い将来については分かりませんが、近い将来データサイエンティストという職業がなくなることはありません。だからこそ、人工知能(AI)にはない提案力、分析・戦略を提供するスキルをアピールすることが大切です。
4. エンジニアから転職する場合
エンジニアからデータサイエンティストを目指す場合は、ビジネス知識と統計学、機械学習に強くなることが必須です。統計解析のスペシャリストから、R・Ruby・Python・SQLなどのプログラミングの技術と知識を身に付けて、分析基盤構築ができるようにしましょう。
システム開発や運用の知識を活かしたプレゼンテーション能力も必要になります。ビジネスアナリストやコンサルタントから目指す場合は、ビジネスへの理解力とコミュニケーション能力をアピールするしましょう。
5. 知的好奇心がある
データサイエンティストになりたくても自分に適性はあるのか、自己分析することが大切です。データサイエンティストに求められる資質は、データに基づいて何かを解き明かして、意思決定する知的好奇心です。データ分析の仕事は、新しい学術や技術を学び続ける姿勢と学習意欲、旺盛かつ根源的な知的好奇心が求められます。
転職してデータサイエンティストを目指す方は、業界研究や業種研究としてデータ分析を自宅でも自習することをおすすめします。
データ分析で使用するソフトウェアのほとんどがフリーソフトウェアですから、実際にやってみて楽しいと思えたら、少なからず適性はあるといえます。
まとめ
データサイエンティストはIT企業の憧れのキャリアパスとして位置づけられています。採用難易度は非常に高く、全くの未経験からチャレンジすることは難しいのが現状です。
しかし、比較的新しい職種であるデータサイエンティストは、他のIT職種とは異なり、様々な経歴の人材が活躍しています。前職のコンサルティングのバックグラウンドを活かして第一線で活躍されている方も存在します。
今持っているスキルを活かして、データサイエンティストになる第一歩を踏み出して頂けたら幸いです。